覚え書き。舞台について。
ここにいるという存在を大切にしていたい。
よく舞台は生の空間だからというけど、ぼくはそれだけでは、言葉が足りない気がしている。
生っていう空間は、その空間を共有できることに意味がある。
それは、観客と役者の垣根を超えて、ここにいて彼/彼女の話を聞いていると安心するとか、その人の気分に影響を与えることができる。
いい気分、わるい気分とあるけど、僕がいう気分は、そんな言葉で語れないなにかである。
そのなにかは、言葉にしないことで、共感覚を強くしていく。
言葉に表せられないものは、信頼によって生まれると思う。
それは、「この作品で伝えたいことは...」でも表せられるべきではない。その信頼は、どうやら作品とは、別の次元に存在している。
それはその信頼を観客の心の中でどのくらい引き伸ばせるかによる。
信頼、というものは人を掻き立てる。
だが、信頼できるものに対して、信頼したら、それで終わってしまう。
かといって信頼できないものは、できないで終わってしまう。
その信頼を掻き立てる部分を、盛り込むことが大切な気がする。
それはもちろん個人の感覚によって変わる。
そのために自分が観客になってみたときのように、五感をフルに活用して、作るべきだ。